第10章 Sugar10
「流司さん、朝だよ。・・・起きて!」
「ん・・・心羽、ごめん。俺のこと嫌いになってない?」
「起きて早々、何言ってるの。私、嫌いになるなんて言った?」
うっさいとかぶっ殺すとか言うと思ったのに、なんでそんな泣きそうな顔で、私を見るの。
「昨日あんなことしたから・・・嫌われたかなって・・・。夢で、心羽に大嫌いって言われた。」
「バカ・・・そんな夢見ないでよ。・・・こんなに大好きなのになんで、わかってくれないの?それに昨日は・・・たくさん愛してくれて、嬉しかったよ・・・?」
それを言うと彼は、安心したように可愛く笑って、私の手の甲にキスをした。
そのまま唇が指先に移動していって、舌先で指を少しだけペロッと舐めた。
「な、にしてんの・・・ぅわっ!!」
「もっと色気ある声出せよ。」
「そんなの、お母さんのお腹の中に忘れてきたよ。」
腕を引かれて、彼の顔が目の前にある。
なんだよそれって八重歯を見せて笑う彼が、私に軽くキスをして、少しだけ離れる。
「おはよ。」
「へ?・・・あ、おはよ。」
流司さんって、おはよなんて言ってたっけ?
「ね、ご飯の前に少しだけ、お前のこと味合わせて?」
何言ってんだ、この絶倫が。
「さっ、ご飯だよ!」
「ケチ。」
「なんか言った?」
口を尖らせて、洗面所に向かう彼。
可愛過ぎるから、やめて。
顔を洗った彼が戻ってきて、一緒にご飯を食べ始めた。
「心羽、今日はお前の言うこと、なんでも聞いたげる。」
え、槍でも降る?
急にどうしたの。
「昨日、俺の好き放題にしちゃったから。」
そんなの別にいいのに・・・嬉しかったから。
ちょっと・・・いや、かなり辛かったけど。
「やっぱ声枯れちゃったね。喋るのも辛いでしょ?」
「んー、めっちゃ喉痛い・・・。」
「ほんとごめん。」
なんでそんな謝るの。
謝ることなんて、してないでしょ。
愛してくれたんでしょ。
「なんでも言うこと聞くんだよね?じゃあもう、一切謝らないで。」
「わかった・・・。」
ご飯を美味しそうに食べる彼を見て、ニコッと笑った。
どんな貴方も、大好き。
だからこれからも、たくさん愛して。