• テキストサイズ

甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第9章 Sugar9


「ごめん、口でしたから、声抑えてあげられなかった。」


初めっから、抑える気なかったろ。


恥ずかし過ぎて、涙出てきた。

枕が湿ってく。


「すげぇな流司、女みてぇだった。」


ほんと死にたい。


こいつだけだから、こんな声出んの。

言いたいけど、言えない。

結局、恥ずかしいだけだから。


「心羽はさ、こんな声出る男キモいとか思わないの?幻滅しない?」


「全然そんなこと思わないよ。むしろ、嬉しい。てか、幻滅するんなら、初めっからしてるよ。」


そうだった。

最初からこいつ、俺の声聞きたがってた。


首だけを動かして、彼女の方を見た。

みんながいるのは反対側だから、みんなには俺の顔は見えない。


「え、流司さん・・・?」


泣いたから、目が濡れてる。


あーあ、そんな困った顔しちゃって。


彼女の手を握って、


「恥ずかし過ぎて、死にたい。」


と呟いた。


「ごめんなさい・・・私だけじゃなくて、流司さんにも気持ち良くなって欲しかったの・・・。」


わかってるよ、そんなの。

俺もして欲しかったから、謝んなくていいんだって。


座ってる彼女に届くように起き上がって、触れるだけのキスをした。

その後は片腕でぎゅっと抱き締めて、


「お前だから、嬉しかった。」


と、これ以上彼女が謝んないように、素直に気持ちを届けた。


「よし、今すぐ歯磨いて来い。」


彼女をベッドから押し出した。

みんなに見えないように、下を向いて。


心羽には、何回か泣き顔見られてるからね。

見られたのは1回だっけ?

それ以外は見えてないはず・・・。


でもやっぱ彼女に、泣き顔見せるのって、男としてどうなの?

1回見られてるからって、やなもんはやだし。

でも、あいつだから、どんな俺でも見て欲しいって、思う。

どんな俺でも、愛してって・・・。


「磨いてきたよ、流司さん!」


早すぎない?

ほんとにちゃんと磨いたの?


「うっ・・・ちょ、重い・・・。」


枕に顔を付けてうつ伏せになっていると、上に乗られた。


「そんな重い?・・・ダイエットしよ・・・。」


「ウソ、重くないから。それ以上痩せんな。」


持ち上げる時とか、軽すぎてびっくりするくらいだから、本気にすんなよ。








/ 293ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp