第8章 Sugar8
彼の胸元から少しずつ、綺麗になるように舐めていった。
「心羽、擽ったい。」
「自分で舐めろって言ったんでしょ。」
「早くしないと、乾いちゃうよ?」
もうほんとありえない。
シャワー浴びればいいのに・・・。
舐めたって綺麗になるわけじゃないのにさ。
そんな悪態を心でつきながら、彼の身体を舐め続ける。
「なぁ心羽?俺、ほんとは、ずっとお前に好きでいてもらう自信ないんだよ・・・。」
彼の弱々しいその言葉を聞いて、身体の動きが止まる。
それでもまた彼の身体を舐め始めた。
彼の目を見つめ、そのまま舌を上へと滑らせて、彼の唇をペロッと舐め、口内に滑り込ませた。
「んっ・・・。」
彼の口から、濡れた声が溢れる。
ダメだよ。
そんなこと、思っちゃダメ。
私はずっと、貴方だけを愛し続けてやるんだから。
信じてよ・・・。
自分の魅力を・・・私の気持ちを・・・。
ひとしきり彼の口内を舐め回し、唇を離した。
「私だって、流司さんにずっと好きでいてもらう自信なんてないよ。でも今この瞬間、私のことを愛してくれてるのは、わかってるから・・・。」
「もし、俺がお前のこと好きじゃなくなったら、お前は俺のこと、好きじゃなくなる?」
だから言ったでしょ。
流司さんが私のこと好きじゃなくなっても、ずっと好きだって。
私は、私を好きな貴方が好きなわけじゃない。
全部に全力で取り組み、自分を大切にしてくれてる人を、ちゃんと大切にする。
優しくて意地悪で強がりで・・・。
自分の思ってることを言葉に出来ない口下手で、それでもたくさんの人に愛されてる、貴方が堪らなく好きなの。
不器用な優しさがいつも私を救ってくれた。
「なにがあっても、私の気持ちは変わらない。約束、出来るよ。」
「そんなこと、素っ裸で言われてもな・・・。」
「あ・・・。」
雰囲気をぶち壊しやがった。
「でもさ、他の人見たら、妬いちゃうからね・・・。」
彼の言葉を無視して、そう続けた。
そう、さっきの嘘だって、私の心がどんなに揺れ動いたことか・・・。
それでもやっぱり、私を見て欲しいから・・・。
「他のやつなんて、見えてないから。」
とてつもなく、貴方が愛おしい。