第5章 それぞれの
私は、皆に見送られ、新たな旅に出発した。
だが、新たな道に踏み出したのは私だけではない。
いずれ分かることだろう。
一人一人に言ったあの言葉の意味が。
私は、背後を振り向く。
もうあの店は、皆の姿は見えない。
しかし、私はそれが気になった訳ではない。
突然、微かだが、魔力の反応があった。
これは、いくら七つの大罪でも気づかない…そのぐらい小さな魔力だった。
しかも複数。
ミーシャ
「来たか………」
どうか皆、無事で……。
完全に顔を出した太陽に向かって呟いた。
これから、果てしない戦いが幕を開けるなど、皆は知らないであろう。
あの戒めの…………。
大罪と重罪【七つの大罪】~fin-