第5章 それぞれの
早朝、私は荷物をまとめ、(って言っても荷物なんてないけど…)外に出ていた。
ミーシャ
「……ありがとう。豚の帽子さん」
エリザベス
「行って…しまわれるのですか?」
ミーシャ
「‼
エリザベス…」
エリザベス
「おはようございます」
エリザベスは、律儀にお辞儀をする。
私もおはよう、と言って会釈した。
その時、ポケットに忍ばせていた耳飾りが落ちた。
エリザベス
「‼それは…!?」
その耳飾りは、エリザベスの持っている物と同じ…否、色が違っていた。
ミーシャのものは、綺麗な夕焼け色。
エリザベスは打って変わって透き通る青色だった。
ミーシャ
「あぁ、これ?
本物だよ」
エリザベス
「えぇ!?じゃあミーシャさんは……」
ミーシャ
「なんてね!冗談冗談。
これ偽物だよ」
エリザベス
「びっくりしましたわ…」
ミーシャ
「あっはは、そんなに簡単に騙されたらダメだよ?
………お姉ちゃん(ボソ」
エリザベス
「?今なんと…?」
ミーシャ
「ううん。なんでもな」
ディアンヌ
「ミーシャーーっ!!!!」
ミーシャ
「……いよ…」