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【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~

第15章 晩餐会



パーティーなのでみんなそれなりに食べたり飲んだり。ワイワイ喋りつつ松本との別れを惜しんでいる様子。でもまあ、俺は美羽お嬢様の執事なもんで。ええ。唾飲みこみながら見守っておりますよ。その勇ましい食いっぷりを。

しかしまあ…ホント気持ちいいくらい食うね。松本が作ったのなんて大皿だったのに、ほとんどひとりで平らげたし…。俺あやうく声出しそうになったもん。でもそこはマツジュン。『先輩の分は別に取ってありますから』って囁いてくれなかったら、マジ叫んでた。『俺のは!?』って(笑)。


「あっ。…ちょっと櫻井、コレ食べて」
「え。しかし…」
「ニガテなのよ、このテリーヌ。生臭くて…。ヤダっていくら言っても作らせるんだから、あの石頭。自分が好きだからって」
「…はあ」

石頭って。“お父様”でしょ、お嬢様…。

「ほら、さっさと片付けちゃってっ。食べたかどうかチェックしにくるのよ、シェフが!『本日の出来はいかがでしたかな?』って」
「しかし、いつもは頑張って食べていらっしゃるのでは…」
「いつもは食べたフリしてコッソリ処分してるの!知ってるでしょっ」
「…」

知らない(笑)。

「今日は人数も多いし…。いいからバレないうちに食べちゃって。早くっ!」
「では、失礼して…」

パク…


「んムっ!!」


うっまっ!ちょっ…ナニコレ!?マジうまいよこれっ!ウニっ?ウニ入ってる!あと…わかんないけどっ、超濃厚な海の幸が口の中いっぱいに広がって…とにかくウマいぃぃぃ~~~っ!

うっわ…。お嬢様っていっつもこんなイイモン食ってんのっ?しかもこれがニガテってアナタ…何てもったいないんだっ!つかここのシェフ何モンだよマジでっ!!そりゃ旦那様も作らせるよ!食わせたいよ!俺でも作らせるよ、こんな美味いモノだったら!ソレこそ毎日でもッ。

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