【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~
第12章 刻まれた文字
ターゲットの彼女ねぇ…案外まんざらでもなかったカンジなんだよね。いきなり高額な贈り物に困惑はしてたけど、ひょっとしてその気がないわけじゃないのかなって。あくまで俺の感触だけど。
彼はまあ、なんていうか。ちょっと、いやかなり表現が下手なだけで。もっとアプローチの仕方をどうにかすりゃ、うまくいくかもしれない。だからって訳ではないんだが、一応彼女から聞き出しておいたアクセ系諸々の好みを教えてあげた。
櫻「…あたりが好みだって。あ、アレルギーはないそうだよ」
男「…櫻井さん…」
松「マジ優しいな~、先輩はっ」
美羽「…」
松「てかさ。イキナリこのレベルの指輪はナイって。もっとモノ選べよ。次は花とかお菓子とか、せめて貰って困らないものにしとけよ?」
男「はい…」
櫻「ま、モノもいいけどさ。まずは自分の気持ちを伝えることからじゃない?」
男「そ、そうっすよね…?」
松「そうそう!頑張れよ!なっ?」
男「は、はい!なんか…ホントにっ、ありがとうございましたっ!」
窃盗犯に感謝されて
松「しっかし…。さすが先輩っすね!あの子の好みなんていつの間にリサーチしてたんスか?惚れ直しましたよ、俺♪」
櫻「や、まぁ…ね。ものはついでと言うか…」
松「またまた。コイツのためでしょ?ホント超優しいんだからっ♪」
松本に煽られて
何だか若干和やかムード。
そのせいか(おかげか?)、無数の危険物を用意して待ち構えてた美羽も、俺らの様子にふっとため息。
美羽「なんだかかわいそうだし、今回は見逃してあげるわ」
って。懐のデカイとこ、みせていただきました。よかったな~、青年!命の危機を免れてっ!(笑)