第1章 prologue

慌てて後ろを向いた彼女とほぼ同時に、俺も布団を引き戻した。とりあえず下半身だけはガードッ！


「～～～な、なんで裸なのぉっ！？」
「いや、なんでって言われましても…」

それはこっちが聞きたいよむしろ。つか、いきなりめくる？普通っ。

「もうサイッテー！しんっじらんないッ！！」
「…」

いや、それ。それこそ俺の台詞だよ、どう考えても。見ず知らずの女性に出会って5分足らずで全裸見られるっていう…。男だって結構な衝撃よ？上だけならまだしも、“全部”って。ないだろ、さすがにっ。チョー恥ずいわっ！


しかし

どうやらこの夢はこの程度のショックじゃ覚めないらしい。

うなじまで真っ赤な目の前の彼女がやけにリアルだし。冗談抜きに“お嬢様”っぽいし。ま、少なくともソッチのプロってわけではなさそうだよね。この慌て方からすると。うん。てか、この子そのテの色気全然だし…。キレイなのに飾りっ気が全くないっていうか。

『失礼ながらお嬢様。お嬢様は…正真正銘の素人でございますね』

ってカンジ？(笑)


となると～…


やっぱ夢だな、これは。どうやら俺は彼女の執事のようだし。でもなんでまたそんな設定に…。