【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~
第1章 prologue
あ。
ひょっとして~…アレですかね。番宣的な。映画版の公開を記念しての。
そういうことならまあ、のっからせていただきましょうか。夢にしたって面白そうだもん。これはもう、あえて無理に起きる必要ナッシングでしょう。
いんや~、俺ってば働き者!夢でもしっかり執事で番宣って。まさかヘンな事件の推理しろとか言う展開?イヤイヤ。ちょっと。
夢でくらいオイシイ執事演らせてくれよぉ~。たまにはロマンチックな恋愛モノやらせてよ~。カメラ回ってないならチューでも何でもアリでいいし俺~。
「頼むぜぇ~?」
「さっきから何ブツブツ言ってんのよ。も、さっさと服着て!準備してっ!いいわねっ!?」
バンッ!
「!」
不機嫌全開な割りに軽やかなステップで、でもやっぱり乱暴にドアを閉めて。彼女は部屋を後にした。
「…」
ねぇ。夢でもお嬢様ってこんな?もーちょっとこう、おしとやかな、大和撫子~なカンジのコが良かったなぁ、俺。どうせなら…。
ま、いいけどね。執事はお嬢様を選ぶことなんてできないんだろうし?(笑)
「…ふぁあぁぁ~…」
さてと。
起きるか(夢だけど)。