第8章 容疑者Ｘの黙秘

しかし


松「ないってオマエ、どういうことだよ」
男「えっと…」
松「え、オマエが盗んだんだよな？」
男「まあ…その…ハイ…」
櫻「まさか…もう売っちゃったっ！？」
松「エッ！？マジ？そうなのかっ？おいっ！」

手元にはもうないという彼を問い詰めると、どうやら誰かにあげちゃったらしい。…盗品だぜ？


松「ちょっ…誰だよ！誰にあげたんだ！？」
男「え…それは…」
櫻「え、待って待って。タダであげたってこと？金品と交換とかではなく？」

うなずいてる。

盗んで怖くなって…って雰囲気でもねぇな。そうなると一体誰に…。慈善団体に寄贈したとか？いや～、それはないだろ、さすがに。ん～…



松「…。オンナ？」
男「ッ！」
櫻「…」

なるほど。そっちか。え。でも…盗品だぜ！？

松「誰よ。彼女？それとも嫁さん…そいやおまえ独身？結婚してんの？」
男「…」
櫻「いや…妻帯者にしては…」

うん。部屋が完全に男やもめ一色（つまり汚い）。