第1章 砂漠の月00~70
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2日目。
昨日はさんざアーチェリーで遊んだので今日は何しようかと皆で笑って
「兄ちゃん達ずるいだ!おらもアーチェリーしたいだよ~」
「お前が遊ぶにゃあと3年待てって」
あ、そうだ。いつきちゃん年齢制限掛かっちゃって出来なかったんだ。
今日は私、いつきちゃんと居るよって言ったんだけど
「いいの?元就、晴久、月子ちゃん、かすがー」
「私だけしか女が残らないのならば市と共にいるぞ」
「えと、市先輩の傍にいたいなーと」
「我は市と共に居る」
「俺も、市と月子に付き合うぜ」
「兄ちゃん達自分に素直だべ」
勾玉作りの体験できるんだって、パンフレットを見ながら、さあ行こうーっと
いつきちゃんを真ん中にしてかすがと一緒に3人で手を繋ぎ
高い高ーいと腕を上げたらいつきちゃんがキャッキャと笑う。うん、可愛い。
「月子もするか?」
「…流石に遠慮します」
「月子ちゃんも来るだよー」
「いつきちゃん、今行くー!」
女4人で手を繋いで、元就と晴久は後ろからのんびりと歩いて
どんなの作ろうかと想像を巡らせる。
チラリと元就の顔を見れば。あ、目が合った。
「何ぞ」
「うぁ、ええと。なんでもない」
緑の、アクセサリー作ったら…受け取って貰えるかなぁ
女の子で集まってこそこそ
「私は謙信様に」
「おらは政宗兄ちゃんと小十郎兄ちゃんだ」
「え、と。私は…晴久先輩、と。元就先輩?市先輩のも」
「市どうしよう」
困った顔で言えば元就一択だとかすがに強く言われて
ひい、元就、喜んでくれるか分かんないよおお
何だかんだ言って元就カラー選んでアクセ作ってる辺り、私も色々アレだなと痛感する
「市、手を出すが良い」
「ん?なあに?」
急に呼ばれて振り向いたら、手首に何か掛けられて
「ブレスレット?」
「ふむ、色は其方に合わせた、似合っている」
あわあわ、ちょ、不意打ちとかホント。恥ずかしい…元就にと作ったグリーンのアクセを無言で渡したら
嬉しそうに受け取ってくれたとか。ほんと色々もう私むりぃ
「市姉ちゃんもメロメロだべ」
「また、表現が古いぞいつき」
「市先輩に渡しそびれちゃった」
「大丈夫だ、直ぐ空く」
かすがのツッコミが大変だ。