第1章 砂漠の月00~70
01
ぽかん。
嵐か台風の様にやって来て去った少女に市も晴久も元就も口をぱっかり開けて
え、今の誰?知らねえ。"尼子先輩"って言ってたよね?なら後輩なのだろう
俺好かれる様な事後輩にしてねえよ?とぼそぼそ。
「何があった、貴様等」
「三成、吉継」
丁度やってきた大阪2人組に市はかくかくしかじか
「何だったんだろうね」
「フン、勝算も無しに、威勢が良い事ぞ」
「「??」」
元就の呟きに晴久と市はお互い首を傾げ。
三成は気にせず席に座って荷物を整理し、吉継は声を殺して笑う
「よう、お前等。どうしたんでい、尼子」
「いや、何か、嵐?台風?」
「今日は晴れてるぞ」
「そう言う意味じゃねえよ」
元親とかすがも到着し、晴久の表情がおかしいと聞くも日本語になってない
「俺なんかやったかなー」
「覚えてないの?」
「全然」
机に突っ伏す晴久なんて珍しいなぁと、市の細い手が
晴久の灰色の髪をわしわしと撫でる
市は市で可愛い子だったな、どういう子なのかな
晴久にあのような反応する子は珍しい
「市、晴久、時間ぞ」
おっと、後ろ見てたので助かった。
「宜しいですか?」
「はーい」
黒羽がにこりと微笑むと僅かに口が動くのを見て
"大丈夫、無害な方ですよ"
"ありがとう"
うん、さっきの子はひとまず様子見しよう。また来るだろうし。