第2章 砂漠の月71~150
150
鶴姫の提案に、月子が顔を真っ赤にしながらも女子全員巻き込まれ断れぬまま実行した後、暫くは思い思いに海を満喫していた。
ちなみに、鶴姫の提案――日焼けクリームの塗りあいっこは、男性陣が回れ右して決して見てはいけません状態で行われた。
もちろんその提案が通って内容を理解した瞬間に幸村は破廉恥でござると絶叫しながら海に駆けていき、慌ててその後を追いかける佐助が見れて全員が大笑いしたのはご愛嬌である。
それはさておき、暫くして政宗と元親がビーチバレーをしようと持ちかけてきた。
四人一組で、カップルは二組一グループだと勝手に括られて、残りで作れるだけグループを作っての総当たり戦。
あぶれた人が審判を買って出て、勝負事が好きな負けず嫌いばかりのメンバーなので早速トーナメント戦となった。
どの戦いもデットヒートを繰り広げる中、試合は市、月子、晴久、元就のグループと元親、政宗、幸村、佐助のグループとの対戦になった。
「勝負だからな、悪く思うなよ」
「フンッ、それは勝ってから言うのだな」
「そ、それがしはっ!」
「旦那、これはお遊びだから楽しめばいいでしょー?」
挨拶をして先制を決める段になって、挑発してくる元親と政宗に鼻で笑って流した元就は不敵に笑う。
相手グループに女性が居るからと僅か及び腰の幸村を、宥めながら試合に臨むのは佐助で市と月子は佐助にドンマイと心の中でエールを送っていたりした。
そうして始まった試合は割とえげつなかった、主にカップルグループが。
「くそっ、今度こそ!」
基本的に月子は運動があまり得意ではない。得意ではないが、割と視野が広かったらしい。相手側から撃ち落されるボールを拾うのは主に元就を晴久で、上に撃ちあがったボールを月子が良い具合にトスを上げるので綺麗にがら空きになったスペースにスマッシュが決まっていく。
スマッシュはその時により、市だったり晴久だったり元就だったりとさまざまだが、四人一緒に居ることが多いので月子が声を出さなくても一番いい場所に撃てる人間が打込む。
時折、晴久や元就がフェイクを入れるために、あの佐助すら惑わされて拾えない時がある。