第2章 砂漠の月71~150
名を呼ばれ、振り向けば少し嬉しそうな元就の雰囲気。ゆっくりと唇を重ね、ゆっくりと口内を荒らす舌に翻弄される
唇が離れれば後を引く銀糸に、恥ずかしくて顔を俯かせれば
花火の弾ける音と元就の声が重なった。だけど耳元で囁かれているのでハッキリと聞こえる。
「卒業したら我と結婚せよ」
改めての真剣な告白に顔が熱くなって元就の胸に顔を埋める
ああもう、いつも欲しい言葉をくれる元就とずっと一緒に居たくて
「うん、うん」
「泣くでない」
「だって、嬉しい」
「我と同棲せぬか?」
…急な提案に少し頭が真っ白になったけど。
「はい」
ああ、もう、花火を見に来たのにそれどころじゃない。
「良い部屋を見つけた」と報告してるこの方は私が嫌だって言ったらどうする積りだったんでしょうか。