第2章 砂漠の月71~150
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プールで思い切り遊んだ翌日、祭りや縁日を模したコーナーがあると言うので荷物を纏めてから全員で覗きに行く。
「うわぁ……すごい!」
「これ、本当に絵なんでしょうか?」
「どんな頭して描いてんだ?」
最初に訪れたのはトリックアートが並ぶコーナーで、平面に書かれているはずの動物が飛び出して見えたりと本物の様な立体感を錯覚させて全員が目を瞬かせる。
感嘆の声を漏らしたのは月子で、マジマジと観察し手を伸ばしたのは鶴姫、研究熱心なのは元親だが絵心があるかどうかはここでは言及しない。
市と月子が早速カメラを取り出すと、保護者である雹牙と黒羽がそれを預かって全員でトリックアートでの大撮影会をし始める。
ある場所では全員で、違う場所ではカップルや女性だけ、男性だけとアートに合せて手当たり次第に撮りまくっていく。
一通り撮り終って満足した市たちは、次は屋台と手作りキャンドルのコーナーへと移動する。屋台では射的で男性陣が競い合い、さすがの忍方である雹牙、黒羽が勝ちをかっさらって女性陣が沸いたりと楽しんだ。
キャンドルコーナーでは、銘々が作ってみるかという話になり二つのテーブルに分かれて作ってみた。
「うーん……割と難しいですね」
「はい! 配置とか、入れたいのが多いと難しいです!」
「でも、楽しいだよ!」
「わぁ……いつきちゃん上手!」
「えへへ、月子ちゃんのも可愛いだ」
女性陣が固まってああでもない、こうでもないと話しながら作り完成品を手に集まると相談もしていないのにカップルのは対っぽい出来栄えで冷やかされ真っ赤になりながらも笑顔の市と月子。
隣に並んだ元就と晴久が、それぞれの頭を撫でて勝手にやってろと呆れられるのも日常茶飯事の出来事である。
最後にお土産屋を覗いて今回来なかったメンバーと各人が家に土産を買ってホテルを出た。
帰り道は前日にプールではしゃぎ過ぎたのか月子といつき、鶴姫が熟睡してしまい車内は割と静かな雰囲気になっている。