第2章 砂漠の月71~150
鼻の下を伸ばした男子生徒を瞬時に凍り付かせているのは元就で、それに苦笑しながら晴久も月子を待っていた。
水着は昨年市に買ってもらったというあの遊んだ時の物を着るつもりだと聞いている、だからこそ心配して晴久は自分のパーカーを来るときに着てこいと渡してあった。
そして月子は授業が始まる五分前にプールにやってきて、晴久の姿を見ると頬を染めながら手を振ってくる。
周囲の男子生徒がそれに鼻の下を伸ばせば睨みつけて牽制し、手を振り返すと教師も来てプール授業が開始された。
結果的に言えば、市とかすがは月子とその友人たちなどとともにプールを楽しみ、市やかすが、月子にデレていた男子生徒は全員婆裟羅者の男たちに振り分けられ自由授業だったはずなのにがっつりしごかれることになった。
授業が終わった帰り道、にこにこと楽しそうに笑いながら市とプールの話をしている月子の横で晴久が、プール授業は男女別を推奨しようかと真剣に悩んでいたとか。