第2章 砂漠の月71~150
「おま…薔薇の花束…俺の年齢の数か」
「雹牙正解、兄さまはプリザーブドフラワー、いつもありがとうございます。大好きです」
「フン」
2人に名入れキーケースを渡せば嬉しそうに撫でられて、雹牙が複雑そうな顔してるのは先月の黒羽を笑ったから反撃できないの知ってる。
このあと弘元さまの家に突撃してきます、そう伝えると兄さまちょこっと寂しそうでした。
晩ご飯には戻るから待ってて下さい。
毛利家の前で皆と待ち合わせして、中に入るとお母さまが満面の笑みで迎えてくれた。
「弘元様がお待ちですよ」
「よく来たな」
嬉しそうな弘元さまに一礼してリビングに入ると、月子ちゃんを連れた元就も部屋から合流してわいわいと
お名前入りのお酒や着物に見合う小物と。
其々渡すと弘元さまの大きな手が全員の頭を撫でた。
「信長や政久に悪い気分だな」
「兄さまにはもう渡したので大丈夫ですよ」
「雹牙殿にもあげたのか?」
「勿論、年齢の数の薔薇の花束あげました」
「ぶっ」
不憫だな、と遠い目になる元就に軽くパンチして、いやあ、もう恒例なんで本人諦めてますよ?
弘元さまは薔薇に埋もれる雹牙を想像してひーひー笑い転げ。父の日のほのぼの光景がカオスに変化した事をお伝えしよう。