第2章 砂漠の月71~150
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「…雹牙に年齢と同じ本数の薔薇の花束か」
「28本。何か変かなあ?」
花屋で父の日用の花を注文してたら、背後から覗き見た元就がしっぶい顔してました。
因みに兄さまにも贈ります、花をメインにネクタイピンとか、通常使える物がいいよね
弘元さまは普段着物着るし、それに付け合せる小物とか良いよね。
専用のカタログを眺めると、名前入りのが流行してるそうな。弘元さまにはこれかな、名入れのお酒
兄さまと雹牙に名入れグッズはあんまり…兄さまと雹牙にブランド財布とかええのうキーケースとか。それなら名入れでもいいだろうし。
2~3日で入れて貰えるサービスを見つけて頼めば「お父さん想いですね」と店員さんに微笑まれたけど
弘元さまはいいけど兄さまと雹牙おとーさーん?両親居ないとこんなもんですよね。
「月子ちゃんは政久さまに?」
「政久…あ、晴久さんのお父さんの名前」
「ふふ、お喜びになるわね」
「やっぱり名前入りですかね、流行だと」
政久さまは前世で早死にしてしまい、今世で晴久の成長を見届けられると喜びながら転生したお方で
経久さまとしょっちゅう晴久について口喧嘩してるのです、まあ父子だからじゃれ合ってるだけだけど
政久さまのプレゼントどうするの?と晴久に聞いてもどうすっかなーで
「親父は煙草吸うからな、ライターが無難かねえ」
「政久さまなら晴久がくれるもの皆取っとくんじゃ?」
「アタリ、幼稚園児の時に描いた似顔絵とか、捨てろって言ってるのに親父の宝箱に入ってる」
「おうふ、それは」
恥ずかしい。子供からしたら何と言う拷問。と言いつつ兄さまもその気があるので子供の運命ですね
お花は父の日当日に取りに来る約束をして一旦帰宅。ギフトの名入れが父の日当日に終わるので我慢我慢