第2章 砂漠の月71~150
「次は父の日ですよね」
「市、気が早い」
後日、早くも父の日に贈るものを考える市に元就が突っ込む。
ええー、雹牙に何贈ろう、とカタログを眺めていた市は教室の前を通った雹牙に狙いを定めた。
前の世と違い、熟睡しても命が危ぶまれる事も無く。
ゆるゆると眠りから覚める頃に嗅ぎ慣れた甘い匂いに意識が浮上する
市が甘えてたまに布団に入るので、また来たのかと片手で頭を撫でれば
ぎゅうっと抱き付いて来た?うん?起きてるのか?
「おい。嫁入り前」
「おっと、未遂です」
「黒羽と同じ事しようとするか、ここで」
「未遂です、撫で回してない、流石に迷った、甘えてただけです」
だろうよ、ここで同じ事してたら二の舞だぞ全く。