第2章 砂漠の月71~150
「其方の悪行は大体聞いておる。取り巻き以外への被害がない故今まで中等部では何も言わなかったが、我の妹に手を出しあまつさえこんな観衆の目前での婦女暴行未遂。ただで済むと思うな」
「是非もなし!」
会長である毛利元就の発言に、さすがに反論することが出来なかった坂本は半兵衛に連れられてその場を去っていく。
カタカタと小さく震えている月子を晴久は抱き直すと元就に一言告げて、理事長に軽く頭を下げてからその場を去っていく。
このことで、月子には手を出してはいけないという周知が徹底されたのは言うまでもない。
もちろん、月子の精神的なケアは晴久が請け負ったので、ほどなくして月子は男性恐怖症になることもなく日常に戻っていった。