第2章 砂漠の月71~150
「己が何をしたか分かっているのであろうな」
「やあ毛利、素直に怒られておくから、彼女泣かせるなよ。新入生に大分目付けられてるから」
「この戯け」
「元就?」
市の声で顔を上げ、この男の謀りであるが泣かせた事実に気まずそうに眼を伏せ
無性に苛立って坂口に軽くボディを決めればクスクスと笑われて。
「うげっ、毛利素直じゃない…」
「貴様はさっさと帰らぬか!」
はいはい、と。逃げる様に離れる男を睨み。
安心させる様に市を抱きしめてすまぬと謝る。
「我と市はもう婚約者であると証明せねばな」
「…全校集会でそれしないでね?」
「…」
「ちょっと?」
全校集会で唇奪われたとか、色々伝説が生まれてしまったのは言うまでもない。