第2章 砂漠の月71~150
書類を揃え終わり、帰り支度をする晴久が呆れた様な声を上げたが元就は鼻を鳴らすだけで何も答えず、苦笑する月子と市がそれぞれに声を掛けて部屋を出る。
四人はそろって生徒会役員をすることになった。会長職は通常ならば選挙できめるが、今回は上から指名だという話で元就に教師から直接話が来たのだ。
通例を無視する形になったが、過去同じことがなかったわけでもないのですんなりと通り、今日の入学式では準備などをすることになって四人だけ登校した。
部屋を出て電気を切ると鍵をかけて職員室に向かう。鍵を教師に返して昇降口に行くと、靴を履き変えて外に出る。
入学式を終えて新入生は帰ったが、明日から色々と騒がしくなると思うとため息が出るのは致し方ない。
「受験関係ないから、構わないけど」
「前期だけで済めばいいがな」
「不吉なこと言うなよ。通年だったらどうするつもりだよ」
「私、勉強ついていけるかなぁ……」
月子だけ、やや不安そうにしているがそれは心配ないと晴久に頭を撫でられ、頑張ると答えると四人揃って帰路についた。
明日から新学年最初の学期が始まる。