• テキストサイズ

砂漠の月

第2章 砂漠の月71~150


127

市と元就の皿にはたんまりとケーキが乗せられていて。
政宗は顔を引きつらせて胃が持たれる気分になっていた。

「ってオイ、真田、お前も食うのかよ」
「甘味は別腹でござる」
「そうじゃなく…」

戻って来た晴久と月子もやって来て政宗が1人ブー垂れてるのに笑う。
今日のバイキングは政宗の奢りなので、財布が痛いのだろうなと察して。

政宗の分も持って来てやると文句を言いながらケーキを口に入れた

「いただきまーす」
「お前そんだけ食ってよく太らねえな」
「政宗。おだまり」

もぐもぐもぐもぐ、黙々と隣に座ってる元就の、口の端についたクリームを手で取って舐める
政宗固まって幸村震えてるけど大丈夫?

「お前な…イチャつくな!」
「破廉恥でござる!」

何だよう、ただクリーム取っただけなのに大袈裟な。

「月子ちゃん食べてる?」
「はい!美味しいです」
「良かった良かった、ケーキおかわりしてこよ」

「食うのが早い」

さーて、次はあの一角を制覇しなければ。幸村と共に立ち上がって一緒に向かった。

「メロンのタルト、レアチーズケーキ、ティラミス。幸村、首尾はどうかね?」
「お市殿、抜かりはないでござる。マロンタルトも捨てがたい」
「目標は全て制覇~♪」
「某も負けてはおられぬ!」

「何だあの甘味同盟」
「我も混ざってくる」
「甘味同盟が増えた」

もぐもぐと黙って様子を見てた晴久と月子は、音を出ぬ様にクスクスを笑って
いちいちツッコミをする政宗もマメだな。晴久はそうごちた。

「ん、月子」
「?!」

晴久は月子の口端に付いてた小さなクリームを、顔を近づけて舐め取った。

「晴久さん~~~~~!!」
「Ah~…お前もか尼子め!」

羨ましかったらさっさと彼女を作れと、からかう晴久の脚を狙って政宗が蹴るも
容易く避けられ、何やってんだと戻ってきた市に叱られたそうな。
/ 338ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp