第2章 砂漠の月71~150
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市と元就の皿にはたんまりとケーキが乗せられていて。
政宗は顔を引きつらせて胃が持たれる気分になっていた。
「ってオイ、真田、お前も食うのかよ」
「甘味は別腹でござる」
「そうじゃなく…」
戻って来た晴久と月子もやって来て政宗が1人ブー垂れてるのに笑う。
今日のバイキングは政宗の奢りなので、財布が痛いのだろうなと察して。
政宗の分も持って来てやると文句を言いながらケーキを口に入れた
「いただきまーす」
「お前そんだけ食ってよく太らねえな」
「政宗。おだまり」
もぐもぐもぐもぐ、黙々と隣に座ってる元就の、口の端についたクリームを手で取って舐める
政宗固まって幸村震えてるけど大丈夫?
「お前な…イチャつくな!」
「破廉恥でござる!」
何だよう、ただクリーム取っただけなのに大袈裟な。
「月子ちゃん食べてる?」
「はい!美味しいです」
「良かった良かった、ケーキおかわりしてこよ」
「食うのが早い」
さーて、次はあの一角を制覇しなければ。幸村と共に立ち上がって一緒に向かった。
「メロンのタルト、レアチーズケーキ、ティラミス。幸村、首尾はどうかね?」
「お市殿、抜かりはないでござる。マロンタルトも捨てがたい」
「目標は全て制覇~♪」
「某も負けてはおられぬ!」
「何だあの甘味同盟」
「我も混ざってくる」
「甘味同盟が増えた」
もぐもぐと黙って様子を見てた晴久と月子は、音を出ぬ様にクスクスを笑って
いちいちツッコミをする政宗もマメだな。晴久はそうごちた。
「ん、月子」
「?!」
晴久は月子の口端に付いてた小さなクリームを、顔を近づけて舐め取った。
「晴久さん~~~~~!!」
「Ah~…お前もか尼子め!」
羨ましかったらさっさと彼女を作れと、からかう晴久の脚を狙って政宗が蹴るも
容易く避けられ、何やってんだと戻ってきた市に叱られたそうな。