第1章 砂漠の月00~70
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「―――――――。」
「そう、ありがとう。昴」
「いえ」
月子ちゃんが泊まってからまた日常が来た。
あの子は何を抱えてるのか、昴に調べて貰い家庭内の事情を知り
少し。見逃せないと思ったんだよね。
「あの娘の事か」
「元就、あの子自体は問題は無いの」
「フン、ひと時の思い出と称して晴久と接するのが気に食わないだけぞ」
その様な覚悟で友と呼び、消えようと離れても晴久を傷付けるだけ
元就の言いたい事は分かるけど、もうちょっと外にも優しくしようよ。
でも、私も、折角友達になった月子ちゃんを見離したくない
月子ちゃんの両親の目的は分かったけど、ここは晴久に動いて欲しいなと考える
「晴久を動かすか?」
元就の鋭い視線が私を見るけど、大丈夫だよ、と笑って
折角友達になった子が親の我儘で離れちゃうのは嫌だもの
まだ恋愛には発展してないけど、そう言うの私達嫌いなのよね。
いつも通り、晴久の部活の終わりに顔を出してる月子ちゃんを見て
スマホを見ながら、呼び出した人物を待つ。
「晴久」
「お、どうした」
「緊急」
「…何があった?」
人気の無い所に2人で移動して、やって来た人を見て頷く
「小野月子の事でしょうか、お市様」
「明智?」
「晴久、聞いてね」
月子ちゃんが、黙って消えてしまいそうな事と。
親が月子ちゃんを使ってしようとする事を話すうちに見る見る顔つきが変わって
「今の世の親がやる事かよ」
「晴久、策があるのだけど?」
光秀の持って来た小さなトランク、晴久は着物をきちっと着て
見合いをぶち壊そうという作戦に晴久も乗る気満々。
問題は、なぁ…
「我も出れば良いのであろう」
「うー、元就は月子ちゃん嫌い?」
「嫌うてはおらぬ、疑っていたまでよ」
お、この言い方だと疑惑は取れた?
「勝手に居なくなると考えていた阿呆に説教を食らわせようぞ」
あ、ごめん月子ちゃん。終わった後は元就と晴久の説教は覚悟して下さい。