第2章 砂漠の月71~150
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「月子ちゃん、11時からアシカショーだって」
「わあ、楽しみです!」
元親の居城の近くに水族館があったので、桂浜水族館に4人で来ちゃいました
他の皆も各々行動して、夕方には城の方で待ち合わせにして。
割と広い館内の水槽を眺めていたら
腕を引っ張られる感覚に驚いて振り向く
「元就?」
「其方は迷子にでもなる気か?」
やれやれ、と言う風に半目で見られて。うううう、迷子にならない様にしてるけどさ…
「流石に水族館じゃ迷子になりようが無いよ」
「ほう?」
「ごめんなさい。従います」
手を握り返し謝ると、満足したのかクスリと笑われて。
アシカショーが始まるアナウンスが聞こえ、晴久と手を繋いでる月子ちゃんの手を握って早歩きをする。
「おい市!?」
「月子ちゃんは市がもらったー!」
「ごめんね晴久さん、市先輩と逃避行です!」
アシカに餌をあげる体験もできるみたい、やってみたい、と2人で笑って会場に向かう
前の席に座れた、やったー!と月子ちゃんと抱き締め合えばスタッフさんにもクスクスと笑われたけど
何だかんだ目をかけてくれたので結果オーライで
「綺麗なお姉さん達、エサをあげてみるかい?」
「「わーい!」」
スタッフのお兄さんに手を引かれてステージに上がり、ええとこの魚をアシカの口に突っ込めばOK?
「午後3時にトドのショーもあるけど見に来る?流石に餌はあげられないけど」
月子ちゃんと、嬉しそうな笑顔が重なった。
トドショー見たいね、そうだね、と笑い合って。
ちらりと背後をみると不機嫌そうな顔が2人…
やばい、はしゃぎ過ぎたかなと軽く青褪めればポンポンと頭を叩かれて
「気に病むでない、存分に楽しめ」
「ふふ」
小魚をアシカの口に放り込みパチパチと拍手したり握手したり
滅多に体験できない事をさせてくれました。
思ったけど物凄く目立ってないか私。
うっかり待ち合わせギリギリまで居付いちゃってダッシュでお城に向かったとかそんな
マヌケな事をしてしまった。