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砂漠の月

第2章 砂漠の月71~150


115

学年末テストの順位発表日。
廊下には武将面子が全員集まっていて一般生徒の注目の的になっていた。

「何してるんですか貴方達」
「ん?全員で結果待ち」

呆れた様に黒羽に笑われ、そう言う事か、と納得してたので
何だ何だと聞いてみたら。えええ、全員の点数上がってたの?

「いつもこの位だと教師冥利に尽きるんですかねえ」
「悪かったな、黒羽」
「とくに、幸村、政宗、宇都宮、直江」
「「「「ぎくり」」」」

「順位貼りますよ」

貼られた表の、1位を見ると。毛利元就の名前が書いてあって。超僅差で市の名前で
大きな大きなため息が聞こえた。
あー、元就に勝てなかったー!!

「市がクジ作るから元就が引いてね」

北は北海道、南は沖縄まで。都道府県を書いた紙を作って元就に引かせる
迷ってる元就を見つつ、今回は何処に行くのかドキドキ

放課後、元就が引いたクジを受け取り、ゆっくりと開けば

「お、四国だ」
「惜しい、安芸が良かったではないか」
「そんな拗ねても困るっつの。元就が引いたんだからね?」

LINEに四国だよ、と載せたら元親の大喜びな返事を頂きました。
月子ちゃんを小脇に抱えた元親が教室に入ってきて

「おい元親、今月子を迎えに行こうと思ってたのに!」
「悪いな尼子、近くを通ったからついでに拾ってきた」
「も、もも元親さん!もう自分で立てますから!」

久しぶりに放課後の教室がカオスです。皆集まってどこに行くか携帯でググれば
観光に温泉にいっぱい出て来た。

「長曾我部の屋敷を宿に?俺はてっきり旅館を貸し切りにするかと思ってたけどよぉ」
「節約しないでどうするの、今回はバス借りなきゃいけないのに」
「でもよぉ」
「節 約」
「ハイ」
「よし」
「ヒヒヒヒヒ!!!長曾我部が市の犬ヨ…!ゲホッゲホッ」
「吉継ーー!?」

呼吸困難になってる吉継の背中をさすり、思わず笑って
かつんと、靴の音に全員が止まった。
やば、下校時間過ぎてるのに居るから先生に怒られる。

「お前等、まだ居たのか」
「雹牙だー」

がしっと抱き付けば、ポンポンと頭を撫でられ。早く帰る様に注意された。
さすが優しいお兄様。
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