第2章 砂漠の月71~150
晴久が迎えに来るのも、月子が嬉しそうに返事を返し駆け寄って行くのもそろそろ一年になろうとする今日では、当たり前の光景となりつつある。
クラスメイトで仲良くなった女子からの声掛けにも笑顔で返しながら、月子は手早く荷物をまとめて持つと晴久の元に駆けていく。
二人並ぶと楽しげに会話を交わしながら月子は帰宅していく。
「月子ちゃん、お疲れ様」
「市先輩、兄さん! お疲れ様です」
昇降口には市と元就が待っていて、部活がないからと揃って歩き出す。
「手応えあった?」
「ううん、やれるだけはやりましたけど、採点待ちです」
「月子なら良いところまで迫るんじゃないか?」
「えー……」
すっかりと三人に馴染んだ月子は、楽しげに会話に混じり帰宅した。
結果は数日後である。