第1章 砂漠の月00~70
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小野家に、月子を迎えに来たのは。
婆娑羅高校の教員の織田黒羽で、黒い車に乗って来た黒羽は深々と月子の親に頭を下げる
「妹のお願いを了承して下さってありがとうございます」
「え、黒羽先生?」
まさか市の兄で教員の者が迎えに来るとは思わなかったか。
小野の母親はお泊り先が織田グループの会長の妹の所だと知って
急にごまをすり始めたのには黒羽も嫌な気分にならざるを得なかった
月子は母親の態度にうんざりしてた様子だったので、妹が待って居るのでと早々に連れだした。
「黒羽先生、すみません。母が」
「気になさらないで下さい、小野さんも苦労してますね」
さあ、市が待ってますよ。
大きな武家屋敷の玄関前に車を泊め、入る様に促すが何かに驚いて口をはくはく
ああ、そう言えばここら辺一帯は高級住宅地だがうちが一番大きかったなと理解した
「月子ちゃん」
「あ、織田先輩…大きなおうちですね」
玄関から出て来た市と幾何か会話をしながら
月子は市に手を引かれ屋敷に入るのを確認した。
月子ちゃんてば車から出てこないと思ったら屋敷の大きさに驚いたようです
あー、私も一般人だった頃は驚くだろう。慣れって恐ろしい
「よう、月子来たか」
「尼子先輩?!」
「サプライズ~」
月子ちゃんに何で?って目で聞かれたのでそう言えば驚いた様に此方を見る
可愛い可愛いと頭を撫でれば、真っ赤になって俯かれた。