第1章 砂漠の月00~70
「平気か?」
「やっと来たか其方は」
俺の言葉に反応した月子は俺の顔を見ると再び涙を零しそうな泣き面で
しょうがねえな、と抱き締めると縋る様に泣き出した
「大丈夫だ、あの女もうこねえよ」
「えっ」
「黒羽と雹牙の逆鱗に触れたんだ」
社会的に抹殺されるか、生死の有無の方で抹殺されるか。
市や俺達に目を付けたのが運の尽きだな。
月子を抱きしめて、心からホっとするこの感情、思わず笑みが零れて
あー、好きなんだな。俺。月子の事…
「?」
「落ち着いたら言うよ」
今言ったらタイミング悪いだろう?