第1章 砂漠の月00~70
月子は否定せずに店員の言葉に乗る晴久に更に混乱しながら、逃げ出そうとしたが握っていた手を強められて逃げられずその場で俯く。
その様子を見ながら晴久が何か考えていたのには気付けなかった。
結局、晴久は月子が今日も着けてくれていたブレスレットに合うネックレスを選び、真っ赤になっている月子にその場で着けてやると店を出た。
「うぅっ……晴久先輩ぃ……」
「なんだよ、気に入らないか?」
「そんなこと! でもぉ……」
「俺がやりたかったんだから、貰っとけ。似合ってるぞ」
半泣きの月子を宥めるように撫でながら、近くのカフェに入って残りの時間を潰すことにした晴久は帰り道の方向に向かう。
適当に入ったカフェでもカップル仕様のティーセットを勧められてパニックになる月子と、楽しげにそれを頼む晴久が居たとか。