第1章 砂漠の月00~70
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コテージに戻ると、小太郎の伝達が早かったのか神妙な面持ちで月子を迎えた。
"婆娑羅を見られてしまった"
その事実は自分達の異常性を分かっているから
今の時代には無い、戦国武将時の記憶を持つ己達だから
折角身内の枠に入った月子には拒絶されたくなかった。
「皆さん、どうしたんですか?」
「え、と。月子ちゃん」
「はい」
コテージの前に椅子を置き、市は月子の正面に座って
まず己の婆娑羅を見せてみる。
さっき悪霊達を飲み込んだ闇をじっと、月子はそれを眺める
内心、月子ちゃんが離れてしまうのではないかと不安がりながら
婆娑羅の話をした。6つの属性があって、そのうちの闇を所持してると市は闇の手を見せる。
晴久は風を起こし、元就は光を見せ
…それが使えるのは、戦国時代に生きた記憶を持つ婆娑羅者の存在だけという
それの説明が終わると、市は少し悲しく笑った
「月子ちゃんは、市達が怖い…よね」
「いいえ、私は怖くないですよ」
えっ
月子の言葉に一同ポカンと、いつきは嬉しいのか月子に飛びついた
「だって、市先輩も晴久先輩も、この力で私を守って下さいました」
悪霊に触れられた時、凄く怖かった。
でもそれを助けてくれた市の深い闇は逆に安心感すら感じる
真っ直ぐにそれを伝える月子の嘘の無い言葉を聞いて
不安そうな空気が、書き消えた
月子ゃんが皆に撫でられまくってます。
「わ、わ、」
「いやあー、尼子の旦那。良い子だね」
「当たり前だろ?」
「よぉっし、続きすっか?」
『止めい』
政宗、肝試ししたいの分かるけど。
今まで隠してた婆娑羅使えるようになったから発動しそうなので全員で止めさせて頂きました。
だからと言って何かこれからするのもなぁ。
「おい、市。車のトランクに半端な花火が無かったか?」
「あ、雹牙が買い込んでたから新品まだあるかも」
んじゃ今夜は花火してから寝るか。
満場一致で花火を出して来て、元親が炎の婆娑羅を使って花火着けたとか。
皆何かはっちゃけてました。