第7章 初めまして
二宮くんは高校から付き合ってるのに
私に「かわいい」と言ってくれることが
年に1回あるかないかしかありません
つまり今までに6回言われてるか言われてないかくらい
そんな二宮くんに仕掛けてみようと思った私
ずっと長かった髪をバッサリと切り
あの女優のなんとか翼ちゃんくらいの短さにしました
別に生まれて初めてとかじゃないんですけどね
さあどんな反応するか二宮和也!!
とか思ってたら二宮くんが珍しく夜の9時前に帰ってきた
嬉しくて舞い上がった私は思わず玄関まで行ってしまった
愛花「おかえりなさい二宮くん」
二宮「…だれ」
6年間付き合って誰はないでしょ二宮くん
いや、髪型変えたからいじってきてるのはわかるけどね
愛花「やっぱり変ですよね」
二宮「別にそんなこと言ってない」
愛花「え」
二宮「風呂」
二宮くんは詳しくは話さずにお風呂に行ってしまった
今のは似合ってると捉えていいのだろうか
いやでも二宮くんのことだからなにを考えているかわからない
頭の中で「似合わない」とか「うける」とか思ってるに違いない
意外と自分では気に入ってるんだけどな
ソファに座りながら1人考えていた
二宮「今日切ったの?」
愛花「え、はや」
二宮「スーパーマンだから」
愛花「否定はしない」
二宮「して、キツい」
愛花「やだ」
二宮「なに、髪切ったら反抗的になったな」
愛花「別にそういうわけじゃないです」
二宮「あらそう」
愛花「うん」
二宮「んで今日切ったのかって」
愛花「そう、仕事の帰りに街中にできたオシャレな美容室でね」
二宮「ああ、あのイケメンの人ね」
愛花「そうそう」
やっぱり似合うか似合わないかは言ってくれない
「かわいい」その4文字を言ってほしいのだけれど
そう簡単にはいかない
もういいや、諦めよう