第5章 1人じゃない
愛花「なんでですか」
二宮「何かあっても俺に話そうとしないでしょ、あなた」
愛花「いや、それは」
二宮「迷惑かけたくない、からでしょ」
愛花「ぅう」
図星なんだけれど
二宮「迷惑なんて思わないよ」
愛花「疲れるよ」
二宮「疲れません」
愛花「めんどくさいよ」
二宮「いいから早く何があったか言いなさい」
愛花「…子供の言葉遣いが悪いのが私のせいって言われた」
二宮「それそのままそっくり返せばよかったのに」
愛花「そんなこと言ったら仕事辞めたくなる」
二宮「ですよね」
絶対そんな深刻に考えてないなこの人
職業が違うといえ
人が泣いたことを深刻に考えないのは
おい、ってなる
しかし
その考えが180°変わる発言が飛んできた
二宮「愛花は頑張ってるよ」
愛花「なんですか急に」
二宮「たまには素直に言ってあげようかなって」
愛花「あ、ありがとう」
二宮「もう家族みたいなものなんだから、なんかあったらちゃんと言いなさい」
いや、二宮くん
家族なんて簡単に言っちゃダメだよ
二宮「家族みたいなものなんだからって言われて混乱してるんでしょ絶対」
愛花「え、はい」
二宮「家族みたいなものだよ、俺からしたら」
「いつも家事やってくれて、俺の隣にいてくれて、一緒に過ごせて、もう家族じゃん」
愛花「二宮くん、余計泣いちゃうよ」
二宮「泣け泣け」
愛花「ひどい!」
二宮「じゃあ私が抱きしめてあげよう」
そういって二宮くんはほんとに抱きしめてきた
そして耳元で言った
「1人じゃない、俺がいる」
私には世界1の味方がいるらしい
『1人じゃない』END.