第5章 1人じゃない
今日仕事先の保育園の子の親から
「うちの子、最近言葉遣い悪くなっちゃって」
と言われた
そこまでならまだわかる
だか
「先生のせいなんじゃないですか?子供の言葉遣いも注意できないで」
なんてこと言われてしまった
謝ることしか出来ない自分に腹が立ったし
自分自身を批判されてるみたいですごく悲しかった
それで今リビングで1人で泣いています
「…早く帰ってこないかな、二宮くん」
なんてわがままを言ってしまった
たとえ1人だとしてもそんなこと思っちゃいけない
無理やり気持ちをかき消した
「なに泣いてんのよ」
頭の上から声がした
顔を上げると帰ってきたばかりの二宮くんがいた
愛花「二宮くん、おかえりなさい」
いつも通りそう言った
私にとっては平然と言ったつもり
しかし
二宮「なに泣いてんのって聞いたんだけど」
愛花「気のせいじゃないかな、泣いてなんかないよ」
二宮「それのどこが泣いてないの、目真っ赤なのに」
愛花「ご、めんなさい」
二宮「んで、なんで」
愛花「いや、なにもないよ」
忙しい二宮くんに迷惑はかけたくない
極力隠せるようにしよう
二宮「…ふーん」
二宮はそう言って荷物を部屋に置きに行った
そりゃそうだ
ちょっとは心配するかなとか思ったけど
二宮くんのことだもの
いや、それは失礼だけど、
ああもう嫌だ
そう思った時
二宮くんが部屋着に着替えて部屋から来た
二宮「ねぇ」
愛花「な、なんでしょう」
二宮「俺ってさ」
愛花「うん」
二宮「そんなに頼りないの?」
愛花「…はい?」
何言ってるんだい、二宮くん