第4章 車の音が邪魔をする
秋になるとさすがに夕方も暗い
二宮くんは私より早く来ていた
愛花「に、のみや、くん」
二宮「…遅い」
スマホをいじっていた二宮くんは私に気づいて
そそくさとスマホをポケットにしまった
そしてふたりで駅に向かって歩き始めた
二宮「あの、さ」
なんだか重い空気で
二宮「まいが言ってたのってほんと?」
あぁ、もう嫌だ
愛花「ほんと、です」
二宮「え、なんて?」
2人で歩いてる道は大通りのため
車の音がうるさかった
二宮くんには2回くらい聞き返された
そして二宮くんが少し大きな声で言ってきた
「俺もお前のこと好きだから」
信じられない
二宮くんが?
車が来ていないのにもう1度聞きたくて聞き返した
「なんだってー?」
二宮「…好きなんだって!」
さすがに大声だったから恥ずかしかった
でも私はやっぱり聞きたかったらしい
また聞き返した
「もう1回言って!」
大声で言った
すると二宮くんは私の耳元で
「好きだよ」
なんてことを言った
車の音には邪魔されずに
はっきり聞こえたからもう聞き返せなかった
『車の音が邪魔をする』END.
この日から私と二宮くんは
付き合うことになりました