第2章 二ヶ月目の戦い
トド松さんーっ!!
そりゃ私もひどいことをしたけど、あなたが女をとっかえひっかえなのも事実でしょうが!!
「ご、誤解です、濡れ衣です!! そうだ、おそ松お兄さんは?
おそ松お兄さん!! 私の潔白を証言して下さい!!」
すると、ひょこひょこ走ってきた十四松さんが、
「あー、二人ともおかえり!! おそ松兄さんならパチンコに行ってるよ!」
ろく○なしがあっ!!
一松さんはガタガタ震える私をしっかり捕まえながら、
「十四松。俺たち、帰りは遅くなるから」
「え? 今帰ったのに? いってらっしゃーい」
「十四松お兄さん! 呑気に手を振らないで下さい! お母さん、助けて下さい!」
「残業だって!」
「またか! 誰かあ!! 襲われるー!!」
だが助けは来ない。
「じゃ、何から始めようか……」
一松さんは私をズルズル引きずっていく。
「何からって何ですか! 私は無実ですよ! ちょっとぉ!!」
私を見下ろす一松さんの顔は、見たこともないほどの邪悪に彩られていた。
そして私は引きずられ、闇の中に消えていったのでした。
教訓。リア充カップルに嫉妬するのは醜い行為でございます。嫌がらせは絶対に止めましょう。
…………
…………
あー、腰が痛い。
ぐちぐちぐちぐち。
平日の真っ昼間。
公園のベンチで愚痴り続ける、うっとうしい小娘がいる。
「まあ、好きか好きじゃ無いかって言われると、多分好きだとは思うんですけど、
こうもアレだとやっぱり遊ばれてるのかなあって……何だか泣きそうになって」
ポンッと優しく肩を叩かれる。
見下ろすと、隣に座ったチビ太さんが親指を立てて微笑んでいた。
「正解だ、嬢ちゃん。その男とは別れろ!!」
キラリとハゲ……ゴホンゴホンゴホンっ!! 失礼、キラリと歯が光る。
チビ太さんは腕組みしてふんぞり返り、
「だいたいなあ。聞けば聞くほどクズじゃねえか、その男。
二十過ぎて仕事はしねえ、遊んでばかりって。もうダメダメじゃねえか、人として!!」
そ、そこまで言う!?……かも。