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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第7章 派生③おそ松&チョロ松END


 …………。

 告白だと思ったら大間違い。クズに脅迫を受けています。

 告白めいた脅迫とか、初めて聞いたなー。

 まず写真とは何かをご説明しよう。

 この前、ホテルに連れ込まれたとき、マジで写真を撮られてます。
 かなり、いや相当にヤバい写真を。
 おそ松さん曰く、『記念』『後で使いたいから』とのこと。
 ……それはそれで、十二分にクズい。
 全力で拒否したが、状況は二対一。復讐を誓いつつ、了承するしかなかった。

 で、チョロ松さんはそれをネタに脅迫。好感度マイナスまっしぐらである。
 私は、チョロ松さんを冷たく見上げる。

「ど、どうなの? お、お、俺、本気だよ……?」
 本気では無いですな。まだ全然開き直ってない。

「そこまで緊張されるくらいなら、普通に私を誘えばいいのでは?」

「え? だって、松奈は一松の彼女だし、俺とおそ松兄さんでひどいことしたし、普通に誘っても、絶対にOKしてくれないでしょ?」

 ……そこまで常識があって、私から手を引くという選択肢がなぜ出ない。

「抵抗できない未成年を脅迫する気力があるなら、ナンパで彼女を探して下さい」
 フンッと素っ気なく、チョロ松さんの脇をすり抜けようとすると、
「ま、待って待って待って、松奈!!」
 腕をつかまれた。振り向くと、必死そうな顔があった。

「ごめん。さっきのは取り消す! 松奈にはこの前のこと、申し訳ないと思ってる。
 何かお詫びがしたいんだ。今日は俺におごらせて! 絶対に何もしないから……」

 チョロ松さんは、おそ松さんほど悪人になりきれてない。
 私にしたことに対し、罪悪感がつのっているらしい。
 耳まで赤くなって言う様子は、今度こそ告白しているみたいだ。

 すごく怪しいんですけど。
 立ち止まって肩を落とし、ため息をついた。

「分かりました。行きましょう」
「ほ、ホント……!?」
 みるみる明るい顔になるチョロ松さん。

 浮気をするつもりもないし、彼を許したわけでもない。
 ただ、あまりにも申し訳無さそうだったので、断るのも悪い気がした。
 それだけである。

 …………


 変なこと考えるんじゃなかった。

 一見真面目そうだろうと、彼もあのクソ長男の一卵性兄弟の一人。

 こんなだから私、いつも一松さんに怒られちゃうんですよね……。

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