第7章 派生③おそ松&チョロ松END
おそ松さんが電話を切り、こちらを笑顔で見る。
「じゃ、これで朝までゆっくり過ごせるよね~」
「ごめんね。でも、大好きだから……」
ベッドで私を抱きしめるチョロ松さん。抱きしめるといえば聞こえはいいが、
正確には逃げないよう押さえつけている。
……ここ? ホテルである。恋人用の。
悪夢再び。だが今回は前回より自業自得だ。
相手の美女二人はどうしたって? 今頃来ない金づるを待ちながら酒を飲んでいることだろう。そのうち別の金づる客にナンパされ、おそ松さんたちのことは永久に忘れてしまうはずだ。
さて私はどういう失敗をしたか。以下の通りである。
『口実をつけ、美女二人のためのカクテルを用意』→『薬を投入』→『ニート二人がうっかり口をつける』
以上。はい、おそまつ。
……。笑えない。
でも当初はそんな慌てていなかった。軽く惚れられるくらいだろうと。
でも気がつけば、D○二人組の連携により、迅速にホテルに連れ込まれてしまった。
逃げ出す隙すらありはしない。
イヤミ社長。性欲も高まるって何で言わなかったしっ!!
さらに加えてお酒の力だ。
ニート二人の上下の理性はアッサリと振り切れた。
「松奈~!!」
ベッドが弾み、飛び乗ってきたおそ松さんが、前から私に抱きつく。
「妹で、弟の彼女ってとこがマニアックだけど、お兄ちゃん、そういうのもイケるみたいだ!」
腰に抱きついて頬ずり。いや気持ち悪いし!
「私、同意してませんし!! 犯罪だし!!」
「え? でも略奪愛だっけ? 女の子ってそういうの好きじゃないの?」
どこのAVから仕入れた知識だチョロ松さん! 髪にキスとかしない!!
「怒りますよ! もう冗談じゃすまされないし!!」
二人の理性の復活をいのりつつ、必死にもがく、もがく、もがく……が。
全く動けない。二人は本気だ。冷たい汗が出る。
「ごめん。ちょっと……興奮してきたかも……」
膝に頭を乗せていたおそ松さんが私を見上げ、赤い顔をさらに赤くする。
抵抗されて興奮とか、実は属性持ち? 兄弟だなあ!!
「俺も……そろそろちょっと我慢が……」
後ろに当たる物が強度を増している。
「……やっ……!!」
チョロ松さんの手が胸に触れる。