第7章 使いふるされた台詞
「……ん゛」
木ノ葉の里まで後僅という頃、背中でアスマが呻いた。
どうやらもう意識が戻ったらしい。
凄い回復力だ。
『気づきましたか?
今、木ノ葉の里に向かっている途中です。』
私がそう言うと反応があった。
「お前…うちはルミか。」
それは質問ではなく確認だった。
警戒する気配が背中から伝わってくる。
『そうです。』
私はそう答えた後、アスマが倒れてから起こったことを話した。
私が医療忍術で彼を治療したこと。
暁はいなくなったからシカマル達の心配はないことと、心臓をやられたアスマは早く里で見てもらった方がいいと思って連れてきたことも。
「おい、止まってくれ。」
私が一通り話すと、アスマがそう言った。
私が言われた通り止まると、アスマ話があると言い、背中から下ろすように促した。
『話ですか?』
私はアスマを近くに生えていた木に寄りかからせながら聞く。
アスマはまだ体が動かないようでぎこちなく頷いた。
「単刀直入に聞く。
お前は一体、何者なんだ?」
アスマの質問は、何年か前にカカシにもされたものだった。
『何者って…、具体的に何を知りたいんですか?』
(何者かって、色んな夢小説でよくある台詞だけどただ単に名前を聞いているのか、立場を聞いているのか、他のことを聞いているのか…
はっきりしない答えに困る質問だよね。)
そんなことを考えて、だからこそ使われる質問なのかも知れないと思った。
「お前は、俺たちの…木ノ葉の敵か?」
アスマはそんな私にそう言った。
私はアスマは抜け忍である私を敵だと判断していると思っていたため、この台詞には驚いた。