第5章 迷い
(我愛羅が尾獣を抜かれるのは阻止した…、次に起こるのは何だっけ…
アスマが死んじゃうのは覚えてるんだけど何時だろう?)
カレーを煮込みながら次に起こす行動を考える。
(後で口寄せして確認しよう。)
原作の知識は、ここから少し飛び飛びになってくる。
ナルトを34巻までしか読んでいないからだ。
確か、60巻以上出ていた気がする。
それなのに、それより先の知識が所々あるのはアニメでチラッと見たり友達の話で何となく聞いたりしたから。
(そう言えば、完結する前に死んじゃったのか。)
そこで私は、自分がナルトの最終巻が出る前に死んだことに気付いた。
『…ナルトは火影になったんだろうな。』
そう呟いて、不思議な気持ちになった。
あの、ドジでバカでアホなナルトが火影になる。
漫画で読んでいるときはそれが当たり前のように思っていた。
だが、ナルトと過ごしたうちはルミとしてはナルトが火影になるなんて夢物語のように思える。
だって、ドジでバカでアホなのにだ。
ひどい言い様だろうが、実際そうだ。
でも…あれは漫画で、だけど今いるここはもう現実で。
(それでも、やっぱり火影になっちゃうんだろうな~。)
私はカレーを皿に盛ると、お盆に乗せた。
『さてと、腹すかしのもとへ行きますか。』
しっかりと水も用意し台所を出た。