第4章 新生!第七班!!
「全く、君は……兄さんに良く似ているよ。」
隣合わせて座ると、ボクは絵本を見ながら呟いた。
そして、その瞬間思い出す。
絵本の最後のページ、そこに描きたかったものを。
ボクはようやく、書きかけだった絵本を完成させた。
二人の少年が再会を果たし手を繋ぐ。
最後のページを思い出したのは、ナルトたちのおかげなのだろう。
「兄さんに見せたかった…
二人の夢の絵を…」
気づけばボクは微笑んでいた。
しかし、絵本の完成に浸るまもなく、大蛇丸に襲撃される。
「サイ、ここはオレに任せて、お前はルミをさがしてくれ。」
怯むことなく大蛇丸に向き合ったナルト君を見てボクは頷いた。
「分かった…
ルミさんはボクが見つけて連れてくる。」
それからボクは墨を使ってルミの居場所を突き止めた。
『…やっと来たね。』
バレないように気配を断ちそっと部屋に入ると、それでもボクに気づいたようで彼女は背を向けたまそう言った。
「バレちゃいましたか…
でも…ボクはもう先手を取ってる。」
『…何が目的?』
ボクの言葉にまだ振り返ることもせず訊いてくる。
「…………ボクは君を…
木ノ葉に連れ帰る!!
最初は君を殺すつもりで来たんだけど…
…ボクは彼が必死にたぐり寄せようとしてるキミとのつながりってのを、守ってみたいんだ。」
ボクがそういい終えると、ルミはゆっくりとこちらを向いた。
何故かその顔は嬉しそうで、これなら彼女を連れ戻せると思った。
『…サイ、すっかりナルトの影響受けたみたいだね。
きっと今のサイなら7班でやってけるよ。
それと、私は戻るわけには行かないな。』
しかし、ルミはそう言ってボクの墨を振りほどくと攻撃を仕掛けてきた。
咄嗟に避けるが、衝撃で部屋が崩れる。
明るくなった視界に目を細め、開けた空を見上げる。
ルミは既に地上に飛び出し、地下のアジトの一部だったところに立つボクを見下ろしていた。