第1章 夢と現実
『……朝…?』
私は薄暗く、日の差し込まない部屋で目が覚めた。
窓もない部屋で時刻を把握することができないため、枕元に置いてあった時計を見る。
『……7時か…』
丸一日寝ていたなんて事はないだろうから今は朝だろう。
私は布団からでて、服を着替えた。
(何か、夢見が悪いな…)
そんなことを思いながら、うちはの家紋が入った忍服に袖を通す。
腰を越えるほど伸びた髪は頭の高いところでひとつに括った。
勿論、父の形見の髪紐で…。
私はぎゅっと髪を縛ると鏡を見る。
そこには木ノ葉の里で性別を偽っていた時のリュウではなく、そのままの姿のうちはルミが写っていた。
木ノ葉の里を抜け、変化する理由がなくなりもとの姿で生活することも違和感がなくなっていた。
最初は不気味だと思っていた大蛇丸のアジトにもなれてきた。
私は鏡の中の自分と微笑み合うと今日も修行の為に部屋を出た。