• テキストサイズ

If…(2)

第1章 夢と現実


"ルミちゃん!ルミちゃん!"

暗闇のなかで私を呼ぶ声がした。
その声に気づいた瞬間、呼吸が苦しくなる。

(私を起こさないで…そっちに連れ戻さないで…)


私は無意識にそんなことを考えた。

"お願いだから起きてよォ"

その声は震えながら私を呼び続ける。

私はその声に意識が引っ張られる感覚と、息苦しさを同時に感じた。

さっきまでは闇のなかで、意識だけが存在していて、肉体から解放された感覚だったはずだった。

それが、今は生々しい息苦しさに教われている。

(静かにして!)

私は思わず心の中で叫んだ。

その瞬間、声は止んで息苦しさも治まる。

と言うより、呼吸そのものが必要ないものになった気分だった。


だが、ほっとしたのもつかの間で、私の意識は何かに引きずられるように闇の中から引き上げられた。

/ 123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp