第11章 兄弟の絆
side-サスケ-
「何かの罠だろ。」
火影室。
一人呼び出された俺は5代目火影に言い渡された任務を聞いて呟いた。
「…恐らく。
しかも、この任務は砂の里との同盟に関わってくるどころか失敗したら戦争にすら発展しかねない。」
5代目はそう言うと机の上で組んだ手に顎を乗せた。
砂の里までうずまきメンマを護送すると言うのが今回の任務だった。
しかも、俺一人で。
どう考えても罠だとしか思えない。
「お前やうずまき上忍がそう簡単にやられるとは思えないがかなり危険な任務になるだろう。」
5代目はそう言うと、やってくれるか?と答えのわかる問いを投げてくる。
「アイツが道中大人しくしていてくれることを祈るしかないな。」
言外に任務を受けることを告げると、苦笑いで返された。
翌日、俺はテンションが上がりきったメンマを連れて里を出た。
「久しぶりに我愛羅に会えるってばね‼」
走りながらも嬉しそうにしているメンマを見てため息をつく。
「おい、はしゃぐのは良いが回りには十分注意しろよ。」
ため息混じりに注意すれば嫌そうな視線を向けてくる。
俺はそれを無視して前を向いた。
そしてそれからすぐ。
俺たちは木の葉の額宛てをした暗部に囲まれていた。
「チッ、やはりな。」
投げつけられた手裏剣をクナイで弾き舌打ちをする。
「……根。」
そんな俺の後ろでメンマが低く呟いた。
俺は根のことを知っていたメンマに驚きつつも、奴らの攻撃を避ける。
気付けばメンマも交戦していた。
(クソ、人数が多すぎる!)
ただでさえ暗部の相手はキツいと言うのに人数が多すぎる。
俺はこのままではまずいと奥歯を噛み締めた。
その時だった。
「お前は!?」
後ろでメンマの驚いたような声がした。
そして、凄まじいチャクラを感じる。
振り返ると一人の忍が赤いチャクラに貫かれていた。
「もう…、もうあんなとこには戻らないってばね‼
アタシは我愛羅の所に帰るんだっ!!」
メンマが目を見開いて敵を薙ぎ倒して行く。