第8章 カミングアウト
「先日、アスマ達が火の寺へ向かっ他際に暁と接触。
戦闘になったそうだ。
そこで二人組の片方の能力が分かった。」
綱手様は一旦そこで言葉を止め俺たちを見た。
「そこで旧十班とサスケで奴等を仕留めてほしい。
奴らは換金所を張っていれば接触できるだろう。
カカシにはサスケが抜ける間単独でメンマ上忍の護衛を頼みたい。」
ナルトの修行はどうしようかと思ったが、教えられることは教えた。
後はナルト次第だ。
俺はナルトをテンゾウに任せることに決めて頷いた。
「カカシ、ちょっと良いか?」
話が終わり、テンゾウに話をしなければと戻ろうとしたときアスマに声をかけられた。
「任務に行く前に少し話しておきたくてな。」
アスマは振り返った俺にそう言った。
「なに?遺言とかやめてちょーだいよ?」
俺が冗談を交えて答えるとアスマは真剣な顔をした。
どうやら重要な話のようだ。
「お前、まだうちはルミを里に連れ戻す気なのか?」
開かれたアスマの口から出た問いは、予想外のものだった。
何故ここでルミの話が出るのかと疑問に思いつつ答える。
「ああ。」
アスマは俺の答えにそうかと呟いた。
「さっき綱手様は言わなかったが、暁と接触したときルミに会った。」
またしても予想外の言葉に俺は片目を見開いた。
「実はな、オレはルミに助けられた。」
アスマは暁との戦いで死にかけたらしい。
そのアスマを助けて里の門まで運んだのはルミだと話した。
「お前ら7班が諦めないで最後までルミを信じてやれよ。
それは必ずアイツに届くはずだ。」
アスマはそう言うと俺に背を向けた。
どうやら話は終わりのようだ。
何故アスマがこんなことを俺に話したのか何となく分かる気がした。
俺のためもあるかもしれないが自分を助けたルミに対しての恩返しのつもりもあるのだろう。
「勿論。
何しろルミは俺の初恋だしね。」
俺はアスマの背にそう言うと、その場から去った。
遠くでアスマの驚く声が聞こえた。