第7章 【エルヴィン】虫唾が走る
部屋を後にすると、急に込み上げて涙が出てきた。
ハンジ分隊長を前にして緊張していたのか、先程分かった事実のせいなのか、よく分からない。
私は人に会わない内に、足早に自室へ戻った。
自室へ戻るが、二人部屋に今は1人だ。
同室の同期は最近の壁外調査で亡くなった。
部屋の外に聞こえないように、布団の中で泣く。
どんどん、家族や、仲間が死んでいく。
自分は、正直不純な動機で調査兵団に入った。
だから、いざ巨人を目の前にすると何も出来ず、仲間が食われて行くのを背に逃げて生き延びる。
同期はほとんど死んだ。
家族を思って。
恋人や友人を思いながら。
私は間近に迫った壁外調査を前に、ハンジ分隊長に返事を出すことにした。