第5章 〇【エルヴィン】甘い言葉を
しばらく2人で息を整えるように、静かな時が過ぎる。
「・・・サラ、大丈夫か?」
エルヴィンが声を掛けるが倦怠感と眠気で
「・・・ん」
と短い返事だけで目を閉じたまま動かないサラ。
「ふふ、可愛いよ」
「・・・」
エルヴィンは首に結ばれた赤いリボンを解き、サラの唇にキスをした。
「ありがとう、サラ。今夜は最高のバレンタインだよ。愛してる」
「・・・うん・・・?愛してるよ・・・」
薄れゆく意識の中で、どこかで聞いたセリフをエルヴィンが言うのを聞きながら、バレンタインのプレゼントが(多分)成功したのを満足に思いながら、サラは意識を手放した。
後日、例の3人がまた食堂で話しているのをまたサラは聞いた。
「自分をプレゼントとかやっぱ恥ずかしいよね」
サラがその言葉を聞いて1人赤面したのは言うまでもない。
-END-