第5章 〇【エルヴィン】甘い言葉を
「ねー、明日のバレンタイン何あげる?」
「んー、団長でしょ?なんだろう・・・」
「自分にリボン付けてあげてみる?」
「ちょ、笑える!んで、解かれながら『最高のバレンタインだよ・・・』とか言われて後は」
「「きゃーっっ!!やばーーっ!!」」
「(ハレンチすぎる・・・!!)」
サラは食堂で食事をしながら、10代位の若い女兵士が3人で集まり、エルヴィンに何を渡すかを相談しながら妄想を繰り広げる様子を顔を赤らめながら盗み聞きしていた。
サラだって女だ。
バレンタインデー位は知っている。
だが今まで誰ひとりとしてプレゼントをしたことは無かったし、男のような態度や言葉遣いのせいか、逆に貰ったこともない。
「(何をあげる、か・・・)ふぅ・・・」
サラは水を飲み干し、片付けをして食堂を後にした。