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進撃の巨人ー短編集ー

第23章 〇【ナイル】Family complex



するとサラも起き上がり、ナイルに自分からキスをしてきた。サラはナイルの気持ちを無下にしないためにもと覚悟を決めたようだった。

サラはベルトを外していくナイルを手伝う様に、ジャケットを脱ぐのを手伝ったり、ワイシャツのボタンを緩めた。自分のジャケットも脱ぎ、ワイシャツの首元を緩めた。

互いに向き合い、ラフな姿になったサラの鎖骨にキスをして体を撫でる。引き締まった体は程よく柔らかい。

「……近頃、兵士達はどうだ?アイツらきちんとやっているのか」
「……はい、やっている者もいれば……サボっている者も」
「ふ、そうか。また俺が直々に叩き直さなければな」

至近距離で行われる報告を貴族は息を飲んで見守る。

「まさかこんな事になるなんてな。初めて出会った時には思いもしなかったよ」
「はい、私も」

小さな笑顔を見せたサラにナイルも微笑んだ。

「……はは、泣き止んだな。そういえば……お前が初めて泣いたのを見たのは……そうだな、俺の妻が二番目のチビを産んでお前が祝いに来てくれた時だったか。お前は昔から優しい奴だった」
「小さくて可愛い……人類の希望を、小さな尊い命を全ての脅威から守らなきゃって……。そしたらつい泣いてしまいました」

ナイルはサラの話を聞いて視線を下げた。

「……家族同然のお前を守ってやれなくて、本当に申し訳なく思ってる」
「なにを仰ってるんですか。助けて貰ってばかりですよ。……師団長、」
「何だ」
「師団長の部下になれて、私は幸せです。本当にいつも、ありがとうございます」

互いに胸がいっぱいになった所で、ガラスがノックされた。

「美しい兵士の絆に酔いしれたよ……我らも心が洗われた。しかし、余興はここ迄だ。ナイル、お嬢さん、ショーの続きを」

促され、危うく出かけていた涙も落ち着いた。

「……サラ、すまない」
「いえ、私こそ」

サラにゆっくりと覆い被さると、それに従いサラもゆっくりベッドに身を沈めた。

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