第22章 〇【リヴァイ】不潔な関係
俺は汚ぇのが嫌いだ。
生きている環境は常に綺麗で清潔な方がいい、塵一つないピカピカの状態だ。ガキ共の掃除はクソみてぇに酷いもんで、毎回俺がやり直しを命じないとやり残しがある。
俺は汚ぇのが嫌いだ。
ただひとつ、例外を除いては。
「汚ぇな……誰が小便漏らす許可を出した」
「す、みませ……も、許して……下さ……」
精液で汚れた、好きな女の顔は堪らなく好きだ。
この女、サラは俺の部下で第104期の兵士。明らかに俺を避けていた人間のひとり。
そこまでは誰でも、よくある事だ。
だが、ある日コイツが兵舎裏の建物の陰で“汚され”、棄てられていた。精液や小便をかけられ、ぐずぐずになったサラに俺は性的な興奮を覚え、その場で俺も。
それが俺達の始まりで、終わりだった。
コイツは俺に脅され、汚されることを拒めない。
「兵長、最近サラとよく一緒に居ますよね」
ライナーと一緒に居るエレンに言われる。隣にいるサラがピクリと肩を揺らした。俺が尻を撫でたからだ。
「……ああ、どうしても俺に掃除を教わりたいらしいからな」
エレンとライナーに助けを求める顔をしている。腹が立って尻を抓ってやると、「んぐっ」と声をかみ潰して口元に手を当てた。
「おい!大丈夫か!?」
「助……」
「大丈夫だ。持ち場に戻れ」
ライナーが駆け寄り、サラが助けを求める直前に手を差し伸べた。
エレンは素直に返事をし、ライナーは心配そうに返事して去って行く。小さな声で「ライナー……」と聞こえた。胸の辺りに嫌な感覚がある。